Air Forceの話
うちの夫は米国空軍勤務です。今年の夏が来たら勤続丸9年になります。
ミリタリーは基本的にフルタイムで20年勤めたら退職金が出るので、高校を出てすぐに入隊した人だと38歳でヤングリタイアということも可能なわけです。ま、大体みんな若いので次の仕事を探したり、そのままミリタリーで働き続けたりするんですけどね。
仕事柄あんまり転勤が多いのでさすがに嫌気がさして夫に「もうこんなんやっとれんわー!」と怒鳴り散らしたこともあるのですが、まあ勤めている本人が一番しんどいんですよね、わかっちゃいるんですけど。転勤して新しい土地にやっと慣れて、友達もできて落ち着いたかなという頃にまた転勤になるっていうこの無限ループ(笑)
まあでも話し合った結果、何とか頑張って20年勤めてリタイアしよう!という結論になり、この先もまた転勤があるのだからいっそ家ごと引っ越ししたらええねんということになりバスで暮らすことになったわけです。
というのもわたしは、転勤するたびに荷物をまとめ、前の部屋を引き払い、電気水道インターネットもろもろの解約手続きをし、住所変更手続きをし、転勤先で新しい部屋を探し、電気水道インターネットの申し込みをし、荷物をほどき、という一連の作業がものすごく、ものすごーーーーーぉく嫌いなのであります。だって、ものすごく疲れるじゃん。それでやっと落ち着いたかなという頃にまた引っ越しじゃん。ブーブー。
でもバスを家にしてしまえば、荷造りも荷ほどきもしなくていいのです。家ごとそのまま運転して新しい土地へ行けばいい。どっちみち前だって荷物を積み込んででっかいUHAULのトラックを運転して引っ越していたので、引っ越し自体はそんなに変わらない。転勤、引っ越しどんとこい!
ミリタリーにはいろいろとしんどいこともありますが、福利厚生がしっかりしているし、いいところも割とたくさんあります。そのあたりはまあ、近いうちに別途記事にしたいと思います。
ミニマリストな寝具の話
バスに引っ越す前、家具をとにかく大量に処分した時期があってその時にベッドもマットレスもまとめて処分してしまいました。アメリカにはcraigslistというインターネット掲示板があって、そこに売りたいものやあげたいものを掲載しておくと欲しい人が連絡してくるという感じでとても気軽に売り買いができるので便利です。
処分した家具はどれもものすごく安い価格でもらわれていきましたが、自宅まで取りに来てくれるし少しでもお金になればめっけもんなのでこれでいいのであります。
で、ベッドを処分してどうやって寝ていたかというと折りたたみのマットレスを買って床に直に敷いて寝ていました。
実はバスが少しずつ出来上がってくるにつれて一番多かったのが「このバスにはベッドを置くスペースがないではないか、どうやって寝るつもりか」という質問。あまりによく聞かれたので別で動画を作ってアップロードしたくらい(笑)
大型バスからタイニーハウスへ 【番外編:ベッドの場所について】
バスの内部の生活空間は約250スクエアフィート(約23平米)、日本の小さなワンルームマンションくらいの大きさです。このスペースにベッドを置くとなると他に広々と使えるスペースはとても限られてくる。なので我が家はベッドを据え置きで置くのではなく、寝るときだけ出してくる日本式のスタイルにしました。
その後、折りたたみマットレスですらかさばりすぎるように感じるようになり(狭いスペースですからね)先日ついにこれを買いました。
コールマンのスリーピングパッドです。ウォルマートで各40ドルでした。
バルブを開くと空気を吸い込んでマットがふくらむのでバルブを閉めます。そのままよっこらしょと毛布なり枕なりを持ってくれば寝床の完成です。朝起きた後はこのバルブを開けて空気を抜いてくるくるっと丸めてそのへんに立てかけておきます。
実は折りたたみマットレスを収納する用のクローゼットをバス内に造作したのですが、マットレスはもう寄付してしまってそのスペースをもっと収納として有効活用したいなーと思ったのもあります。
寝袋を買うことも考えましたが、今のところはこのスタイルで毎晩快眠です。
大型バスを買った経緯
1993年式のMCIバスを改造して住めるようにしたタイニーハウスで暮らしています。
元々フロリダのペンサコーラで刑務所の護送車として使われていた払下げ品を前のオーナーが政府のオークションで購入したものの、同時に入札したヨットも落札できてしまい、奥さんにバスかヨットのどちらかを処分するよう迫られた結果売りに出されていたものを買いました(笑)
たまたまそのタイミングで以前住みながらこつこつとリモデルした家が売れ、その売上金を握りしめて現金でバスを買いに行きました。8500ドルでした。
へぇー意外と安いんだなと思われるかもしれませんが、MCIバスは主に長距離バス(グレイハウンドバスやツアーバス)として活躍後リタイアした車体が売りに出されることが多く、100万マイル以上走った車体が安くても1万5千ドル~2万ドル(150~200万円程度)で出回っているのが一般的。
わたしたちが買ったバスはたまたま元護送車だったためマイル数も少なく、政府車両のためとても状態もよかったのでその値段で買えたのは本当に奇跡でした。
余談ですがバスを売ってくださった前のオーナーの苗字がLORDさんで、あの人はもしかしたら神様だったのかも・・・と今でもたまに思います。
真夏の暑さの中、シートをひっぺがし、天井を入れ、ペイントをし、床材を入れ、電気の配線、水道の配管をしてキッチンを入れ、最後にコンポストトイレを入れた頃には真冬になっていました。
バスに家財道具を積み込んで本格的に入居してから約3か月が過ぎました。狭いスペースなのでいろいろとまだ慣れないこともありますが、そのあたりもまた今後ここに記録していけたらと思います。