JUST US PLUS BUS

アメリカで大型バスを改造したタイニーハウスに夫とウサギと暮らしています。

0円ハウスというものがあるらしい。

日本には0円で買える空き家が多数存在するらしい、ということを最近ネットで読んで知りました。

家、つまり上物のみならず土地も付けて0円、持ってけドロボー!という夢のような話なわけですが、まあThere's no free lunch、世の中にはタダより高いものはないという言い回しもありますからね。

 

要はそういう家は大体田舎にある空き家で、家自体がもう築30年を超えていて上物としての資産価値は減価償却によってゼロになってしまったし、親から引き継いだはいいけど子供は子供で自分の家がちゃんとあるから別にわざわざ田舎に住みたいと思わないし、税金だけは毎年しっかりかかるし、草だって生えるし、たまに風を通してあげないとカビだって生えるし、壊して更地にするにしたって数百万はかかるし、こんな手間とお金のかかるだけの家はもういらないから誰かタダでいいのでもらってくれませんか、ということらしい。0円でなくても、地方へ行くと100万円以下で買える古いおうちがゴロゴロしているらしいです。

 

アメリカだと築30年とか50年なんて全然古いうちに入らないし、住宅費用が右肩上がりなのでこういうことはまず起こらない。ものっすごい田舎に行けばあるのかもしれないけど、少なくとも日本みたいに公共交通機関が発達してないので、駅までそんなに遠くない一軒家が無料で手に入るっていうのがまず夢のような話である。日本にはこういう家があるんだよー、しかも無料か格安だよーという話を夫にしたら「いいじゃん!今すぐこういうの買って日本に移住しよう!」とか言い出したので全力で止めにかかりましたが。

いや、だって仕事どうするのよ?あなた日本語話せないじゃない?→僕日本語勉強するよ!仕事は英語の先生やるよ!→こういう家は大体ものすごい田舎の不便な場所にあることがほとんどでしょう、そんなところで誰が英語教えてもらいたがるのよ?という会話ののち、もうちょっと考えてから、ねっねっという結論になったわけで(笑)

 

でもこういう格安物件を見てみると、広島の尾道あたりとか長崎や宮崎あたりの海の近くの物件はわたしが見ても割といいなぁ・・・と思う。これだったら修理して住んでもいいかな、キッチンはこんな風にして、お風呂場はレトロだからこのまま残して、とか考え始めたら夢は膨らむ一方である。だいたい夫婦揃ってこういうDIY系は大好物なんで、あぁーしんどいわぁーもうDIYプロジェクトばっかりでぇーなんて言いながらも古い家を直して売りに出したり、バスを買って改造したりしているので、まあそういうこと自体は実はあまり嫌いではないのであります。

でもあれかな、こういう物件は田舎にあることが多いからいきなりアメリカ人と日本人の夫婦が移住してきたら村八分になっちゃうかも、などと考えながら物件を見ているとあっという間に一日が過ぎてしまうわけです。 

 

どこかで読んだのだけど、2033年には日本の家は3軒に1軒は空き家になるらしいです。その一方で、東京だの大阪だのの家賃って右肩上がりでしょう。たっかい家賃を払うために働いて働いて、眠るためだけに家に帰ってくるんだったらこういうのもっと活用したらいいのになぁと思う。

夫に「だったら軽井沢のこの別荘買おう!」と言って物件を見せたら「冬寒いからヤダ」って却下されましたけどね。別に夏だけ住むんでもいいじゃんね。

 

根本にある問題は、30年経ったら上物の価値がゼロになってしまうその仕組み自体にあるのではないかという気もしないでもない。そもそも30年以上家が持つということを前提に建てられていないこと自体も問題なんじゃないかなぁ、と海外に住んでいながらわたしはちょっと思うのでした。