JUST US PLUS BUS

アメリカで大型バスを改造したタイニーハウスに夫とウサギと暮らしています。

ダウンサイジング

英語で持ち物を減らして暮らしのサイズを小さくすることをダウンサイジング(downsizing)と言います。アメリカではミニマリズムが少しずつ若い子の間で市民権を得ているのと同時に、暮らしを小さくすることで生活にかかるコストを減らし、今まで働くために使っていた時間を自分たちがやりたいことに使おう!というムーブメントが起こり始めています。

といってもそこは消費大国アメリカなので、タイニーハウスに暮らしたりダウンサイズしたりというのはごく一部という印象を受けますが、マット・デイモン主演の「ダウンサイジング」という映画が公開されたり、こんまりさんのお片付けの魔法の本が飛ぶように売れたりしているところを見ると少なくとも人々の興味を引く話題ではあるようです。

地域にもよるかもしれませんが、地価も家賃も物価も上がる一方の昨今では「なんのために大きな家を買って欲しくもない家電を買って好きでもない相手に対して見栄を張るのか」と皆が思い始めたのは無理もないかなと思います。それよりは必要最低限のものだけを持ち、それを維持できるだけのお金を稼ぎ、欲張らず、小さく暮らしていきましょう、というのは「さぁ買え!今すぐ買え!」の消費社会よりはほっとする考え方ではありますよね。

特にわたしたち夫婦は、親が働いて働いて、定年を迎えるか迎えないかくらいの年齢で天国へ行ってしまうという経験をしているので余計に「元気なうちに人生を楽しまなくては」と思うのかもしれません。

 

我が家は転勤が多く、特にバスを買って引っ越そうという話になった頃から少しずつ家具を売ったり寄付に持っていったりと物を減らす努力をしてきたつもりでいましたが、いざ引っ越し!バスに収まるだけの物しか持っていけません!となったらまあ出るわ出るわ、別にこれがなくても大丈夫と思える物の数たるや。物はそれが収まる場所の大きさだけ増大する、と思うのはわたしだけでしょうか。

大きな一軒家に住んでいると、パントリーも大きいしついつい余計に食材なども買ってしまいがちなんだなぁと大量に出てきた缶詰を見ながら思いました。え?もちろん缶詰は頑張って食べましたよ。食べないと収めるスペースなんてないんだもん。

バスの中にあるアパートメントサイズの冷蔵庫におさまるだけの食材を買い、あるものを先に食べ(食べないと次買ってきても入らない)、今ある食材が見渡せる状態、というのは精神的にも、お財布的にも割といいのではないかなと思います。

といっても、冷蔵庫なしで暮らしています!みたいなミニマリストにはとてもなれそうもないし、ならなくてもいいかな。今くらいの状態がちょうど心地よいです。

 

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Air Forceの話③

ミリタリーの話、続きです。

リクルーターに話を聞きに行ったところ、年齢的にまだ入隊が可能であること、入隊すると市民権がもらえること、どんな仕事がもらえるかは学力考査のスコアで変わってくる、ということがわかりました。

わたしの場合、アメリカ市民と結婚しているのでグリーンカードを保持しているのですが、このグリーンカード更新の手続きが地味にとても面倒なのです(初回取得から2年後に更新、その後10年ごとに更新手続きが必要。おまけに更新料は年々はね上がる一方)。今後日本に帰って暮らす可能性はあんまりなさそうだし、このままアメリカで暮らすのであれば市民権を取ってもいいかなぁ・・・と考えていたので、市民権の手続きを軍がやってくれるのはとても魅力的ではあります。

だって帰化するの、弁護士さん雇ったり手続きするのすっっごい大変なんですよー!何より今後10年ごとにグリーンカードの更新料払うのも大変だし!

 

そんなわけでとりあえず、ASVABというミリタリー入隊のための学力考査を受けることになりました。基本的な国語算数理科社会、という感じのテストです。個人的な感想を言えば、普通に高校を出ていればそれなりに点数が取れるのではと思うのだけど(だってわたしが高校出たの20年以上前の話ですよ!)、このスコアが低いと応募資格に満たず足切りをされてエアフォース自体に入れてもらえないようなので、まあ割と大事なテストと言っていいのではないでしょうか。

そのテスト結果をもとにどんな仕事をしたいかなどについてリクルーターと話し合いをします。わたしの場合は市民権がないので応募できる職種が限られており、あんまり選択肢の幅はありませんでしたが。職種はキャリアの途中でも変更が可能です。(可能だからといって簡単かというとそれはまた別のお話)

その後、MEPSという健康診断を受けに行きます。身長体重、視力聴力、尿検査(ドラッグ検査)などを受け、この検査で健康体の太鼓判をもらったら晴れて契約書にサインすることができます。

と聞くとなんだ意外と簡単じゃんと思われそうですが侮るなかれ、ここは肥満大国アメリカ。体重が一定以上だとダメ、その他てんかんや喘息、心臓病などの持病があってもダメ、と割と基準は厳しいようで、若くて健康であるというそれだけの条件を満たす候補者が年々減っており、ミリタリーは各部門で入隊可能な人材の取り合いに必死ということです。

 

この話、続きます。

 

うちのバスはオフグリッド

今日はバスの電力供給源の話。

 

うちのバスはオフグリッド仕様です。オフグリッドとはなんぞや?というと、まあ電力会社が提供する電線から電源を取らずに生活ができる、という感じです、ハイ。つまり山の中の、電波も届かないし電源も取れないところへ行っても生活ができるように作りました(夫が)。

電線から電力を取らずに電力をどうやって入手しているかというと、バスの屋根にソーラパネルを積んでいます。パナソニック製の330Wパネルが6枚。もうちょっと値段の安いパネルもあったのですが、発電効率が一番よくて高いレビューのあるパナ製にしました。

ソーラパネルで作った電力はバッテリーに溜めて使います。バッテリーは200Ahのものを8つ入れました。バッテリーの残量が50%を切らないように気を付けないといけないですが、エアコンをガンガンにつけるとかでなければ普通にホットプレートを使って料理したり、冷蔵庫や電球など毎日必要な電力は十分にまかなえます。

水はきれいなお水用のタンクと、キッチン用の汚水用、お風呂用の汚水(といってもうちで使うのは石鹸なので単なる石鹸水です)用タンクが積んであります。きれいなお水は100ガロン(約390リットル)くらいためておけます。

 

トイレはコンポストトイレを作りました。エコトイレ、バイオトイレなどとも呼ばれていて、流すのに水を使わないトイレです。最初は恐る恐る使っていましたが今ではすっかり慣れました。水の使用量の話はまた別途いつか記事にしたいと思いますが、飲み水にできるきれいなお水をトイレを流すだけに使うのはもったいないなぁと最近しみじみ思うようになりました。

自分たちが使った水の量を実際に目にすると、うわぁー毎日食器洗ったり洗濯したりするだけでこんなに使うんだ!とかそういうことに意識が向くようになりました。思えば今まで水は蛇口をひねればいくらでも出てくるもので、流した汚水の行方についてもあまり考えてこなかったな、と。

いろいろと学ぶことの多いバス暮らしです。 

 


大型バスからタイニーハウスへ オフグリッド生活アップデート

 

Air Forceの話②

ミリタリーの話、続きです。

 

結婚した当初、夫に仕事がしたいか主婦がしたいかと聞かれ、アメリカまだ慣れないししばらくのんびりしたいわーん、だって運転免許もないしーと答えた当時のわたし。

わたしは知らなかったのです、アメリカで免許も車もないというのがどういうことかを。ひとりではどこにも行けないんですよ、車がないと。一応公共の交通機関がないこともないのですが、日本ほど充実してはいません。最初の一年は夫にべったり頼っていましたが、このままではいかん!ということで渡米して一年半後、やっと免許を取りました(遅い)。

ほんとはね、そのうち子供ができておかんになったら仕事はしないで家にいたいなぁと思っていたのもあるんです。でも数年たっても子供はできず、病院へ通うも転勤ばかりなもんで転院、検査の繰り返しが続くうちになんかもうしんどくなってしまいました。

通院よりもこたえたのが、そのストレスで夫との関係が悪くなってしまったこと。夫婦あってこその子供なのに、それが原因で夫婦喧嘩をしているのでは元も子もないよなぁ、自然にできないなら無理して治療することもないやぁと思って病院に行くのはやめました。

 

わたしはおうちにいて家のことをするのは割と好きな方なので、主婦は割と合っているのではないかなと思います。ものすごく内向的な性格なもので、放っておくと一日ひとりで誰とも話さずに遊んでいても全然平気。

とはいえ、もし子供がいればママ友などとそれなりに会話したり関わったりする機会もあるのでしょうが、さすがにちょっとそろそろ社会に出た方がいいのではないだろうか・・・と思い始めたところに、夫に「Air ForceのReserveをやったら?」と勧められました。

ReserveはAir Forceの一部ではありますが、フルタイム勤務のActive Dutyと違い、出勤が月に1週末+年2週間の出勤だけでいいところが違います。もちろん軍勤務なので健康で採用条件を満たしていることが条件ですが、フルタイムで働くオプションもあるしフレキシブルに働けるといっていいかなと思います。

そっかー、じゃあとりあえず話だけでも聞いてみるかーと思ってリクルーターのオフィスを訪ねてみたのが2016年暮れごろでした。

 

この話、続きます。

 

キャンプサイトへお引越し

わたしたちの住むフロリダはすでに真夏のような暑い日が続いています。テキサスやアリゾナのように砂漠地帯であれば気温が多少高くてもカラっとしているのですが、そこは亜熱帯フロリダ(?)、気温が28度でも湿度80%くらいだともう耐えられないというか汗だくというか、体感気温は実際の気温以上というところでしょうか。

まあ人間はそれでも暑い暑いと言いながら耐えられないこともないとしても、我が家にはふわふわの毛皮を着た家族が3匹いるので気温はなるべく25度前後に保ってあげたいところ。そんなわけで暑い日はウサギのためにバスに取り付けたエアコンを付けることになるわけです。

後日別途記事にしようと思いますが、うちのバスの屋根にはソーラーパネルを積んでいます。それで日々の生活に必要なエネルギーは大体賄えるように作ってあるのだけど、夏の暑い日にエアコンを長時間つけっぱなしにできるだけのエネルギーはさすがに作れない。正確に言えば太陽の出ている昼間は作った分だけ補充できるからいいとしても、太陽光発電なので日が沈んだ後あんまりがつがつ使うことはできないのです。

夫と話し合った結果、電池の残量を気にしながら暮らすよりは夏の間はいっそ電源につないで快適に暮らしたらいいじゃんという結論になり6月から8月の間、キャンプサイトにバスを停めて暮らすことになりました。

今は自宅の庭にバスを停めて暮らしていますが、自宅ももうすぐ売りに出す予定。家を空けるためにあれこれ捨てたりチャリティに寄付に持っていったりしています。

それにしても今までもいろいろ処分したつもりでいましたが、モノって本当にどこにしまってあったんだろうと首をかしげるほどいろんなところから出てきますね。とにかくバスに収まるだけの量しか物は持てないので、頑張って準備したいと思います。

 

Air Forceの話

うちの夫は米国空軍勤務です。今年の夏が来たら勤続丸9年になります。

ミリタリーは基本的にフルタイムで20年勤めたら退職金が出るので、高校を出てすぐに入隊した人だと38歳でヤングリタイアということも可能なわけです。ま、大体みんな若いので次の仕事を探したり、そのままミリタリーで働き続けたりするんですけどね。

仕事柄あんまり転勤が多いのでさすがに嫌気がさして夫に「もうこんなんやっとれんわー!」と怒鳴り散らしたこともあるのですが、まあ勤めている本人が一番しんどいんですよね、わかっちゃいるんですけど。転勤して新しい土地にやっと慣れて、友達もできて落ち着いたかなという頃にまた転勤になるっていうこの無限ループ(笑)

まあでも話し合った結果、何とか頑張って20年勤めてリタイアしよう!という結論になり、この先もまた転勤があるのだからいっそ家ごと引っ越ししたらええねんということになりバスで暮らすことになったわけです。

というのもわたしは、転勤するたびに荷物をまとめ、前の部屋を引き払い、電気水道インターネットもろもろの解約手続きをし、住所変更手続きをし、転勤先で新しい部屋を探し、電気水道インターネットの申し込みをし、荷物をほどき、という一連の作業がものすごく、ものすごーーーーーぉく嫌いなのであります。だって、ものすごく疲れるじゃん。それでやっと落ち着いたかなという頃にまた引っ越しじゃん。ブーブー。

でもバスを家にしてしまえば、荷造りも荷ほどきもしなくていいのです。家ごとそのまま運転して新しい土地へ行けばいい。どっちみち前だって荷物を積み込んででっかいUHAULのトラックを運転して引っ越していたので、引っ越し自体はそんなに変わらない。転勤、引っ越しどんとこい!

ミリタリーにはいろいろとしんどいこともありますが、福利厚生がしっかりしているし、いいところも割とたくさんあります。そのあたりはまあ、近いうちに別途記事にしたいと思います。

ミニマリストな寝具の話

バスに引っ越す前、家具をとにかく大量に処分した時期があってその時にベッドもマットレスもまとめて処分してしまいました。アメリカにはcraigslistというインターネット掲示板があって、そこに売りたいものやあげたいものを掲載しておくと欲しい人が連絡してくるという感じでとても気軽に売り買いができるので便利です。

処分した家具はどれもものすごく安い価格でもらわれていきましたが、自宅まで取りに来てくれるし少しでもお金になればめっけもんなのでこれでいいのであります。

で、ベッドを処分してどうやって寝ていたかというと折りたたみのマットレスを買って床に直に敷いて寝ていました。

 

実はバスが少しずつ出来上がってくるにつれて一番多かったのが「このバスにはベッドを置くスペースがないではないか、どうやって寝るつもりか」という質問。あまりによく聞かれたので別で動画を作ってアップロードしたくらい(笑)

 


大型バスからタイニーハウスへ 【番外編:ベッドの場所について】

 

バスの内部の生活空間は約250スクエアフィート(約23平米)、日本の小さなワンルームマンションくらいの大きさです。このスペースにベッドを置くとなると他に広々と使えるスペースはとても限られてくる。なので我が家はベッドを据え置きで置くのではなく、寝るときだけ出してくる日本式のスタイルにしました。

その後、折りたたみマットレスですらかさばりすぎるように感じるようになり(狭いスペースですからね)先日ついにこれを買いました。

 

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 コールマンのスリーピングパッドです。ウォルマートで各40ドルでした。

バルブを開くと空気を吸い込んでマットがふくらむのでバルブを閉めます。そのままよっこらしょと毛布なり枕なりを持ってくれば寝床の完成です。朝起きた後はこのバルブを開けて空気を抜いてくるくるっと丸めてそのへんに立てかけておきます。

実は折りたたみマットレスを収納する用のクローゼットをバス内に造作したのですが、マットレスはもう寄付してしまってそのスペースをもっと収納として有効活用したいなーと思ったのもあります。

寝袋を買うことも考えましたが、今のところはこのスタイルで毎晩快眠です。